英国?イギリス?イングランド?解題
One striking fact about English literature during the present century is the extent to which it has been dominated by foreigners- for example, Conrad, Henry James, Shaw, Joyce, Yeats, Pound and Eliot. (Arthur Koestler, 1944)
今世紀の英国文学についての一つの特筆すべき事実は、それが甚だしく外国人作家によって支配されていることである。
まずEnglishという単語が何を意味するのか。もちろん、「英語で書かれた」文学と捉えることも可能だが、ジョイスやエリオットなど英語で作品を書いた作家があることから、その意味ではないことがわかる。ジョイス、ショー、イエィツはアイルランドの代表的な作家である。北アイルランドもイギリス(英国)の中に含まれるため、彼らを「外国」の作家と見なす文章に考えさせられた。オーウェルにとってのイギリス(英国)とはイングランドのことだったのであろうか。
ちなみに、コンラッドはポーランド生まれ、ヘンリー・ジェイムズ、パウンド、エリオットはアメリカ生まれである。それにしても豪華な顔ぶれである。ヘンリー・ジェイムズはフォークナーと共にその難解な文体で知られるが、『ねじの回転』は読んでみたい。
次回もオーウェルの鋭い一文を紹介します!
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