2022
2022 is coming to an end. I would like to wrap it up with 3 new things I did and 3 most impressive short stories I dealt with in my classes. 1. Conducting a lecture on Mishima at an American university
It was my great pleasure introducing Mishima and his powerful story “Patriotism” to college students in America. 2. Using “Granta” for my classes for the first time What is unique about “Granta” is its variety of authors, foreign and Japanese alike. 3. Teaching the Japanese language for people of different nationalities Teaching a mother tongue is difficult as well as intriguing. It has defamiliarized my language and shed new lights on it. Here are the 3 short stories which have left strong impressions on me. 1. “Machine” by Riichi Yokomitsu (from Tuttle anthology) Yokomitsu’s prose is a dagger. Powerful and experimental. Brilliant. 2. “The Story of Tomoda and Matsunaga” by Junichiro Tanizaki (from Penguin anthology) Tanizaki’s masterful craft of storytelling is at its highest. Superb. 3. “Blue Moon” by Hiromi Kawakami (from Granta 127) Kawakami’s short story taught me how fragile our lives are and yet worth living all the more for that. Serene and beautiful. I would like to say thank you to everyone who has participated in my classes and has read my posts. I wish you a happy new year!
2022年ももうそろそろ終わりなので、このポストで少し1年を振り返ろうと思います。台湾にやってきてまる2年が経とうとしています。今年は仕事面も含め、異文化の壁に苦しんだ1年でした。なかなか精神的に大変な時期もありましたが、今は経験して良かったと思えています。今まで育んできた価値観を大事にしつつも、時にはそれを疑う(客観視する)重要性をつくづく感じました。 文学関連で印象に残っている出来事を挙げると、ニューヨークのアデルファイ大学で三島由紀夫の『憂国』の講義をしたことです。アメリカの大学生に向けての講義、しかも三島由紀夫作品を扱うということで、緊張しました。ただ、講義の後で、三島作品に興味を持ってくれた学生が何人かいたようで、実施した甲斐がありました。また、友人から勧められて、オックスフォード大学が主催している3ヶ月の文学理論コースを受講したこともいい経験になりました。オンラインの授業でこんなこともできるのかと、その可能性に改めて気づかされました。ずっと文学理論を体系的に学んでみたかったのですが、内容も期待以上のもので、講師も素晴らしく、とても楽しく学ぶことができました。 今年のヨーロッパ&アメリカ向けの授業では、Tuttle、Penguin、Grantaの3冊を扱いました。それぞれの本の中から印象に残っている作品を1つずつ挙げたいと思います。 1. 横光利一 『機械』 読み進めるのに文字通り痛みを伴う作品でしたが、実験的な作品で、天才横光を見ました。第4者とも言える視点も独特でした。 2. 谷崎潤一郎『友田と松永の話』 文体もさることながら、物語の展開も素晴らしく、まさに谷崎!という作品でした。来年の目標は谷崎を体系的に読むことです。 3. 川上弘美『Blue moon』 川上弘美さんの文章には静謐な雰囲気が漂っていて、惹かれます。人間存在の脆さ、それ故の尊さが美しく描かれています。 来年もたくさんの本を読み、新しいことに挑戦したいと思います。皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。
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