Search
Ikuya Takahashi
May 11, 20244 min read
谷崎潤一郎 『細雪』
谷崎潤一郎の『細雪』を読了した。ずっと読破しようと思っていた。18歳の時、大学の生協で新潮文庫を買ったのを覚えている。いかにも「和」という感じの表紙と細雪というタイトルのせいか、なかなか1ページ目を開けられないままであった。そして4年前、台湾に行く前に三冊全てを買い揃えた。...
73
Ikuya Takahashi
May 3, 20242 min read
“To Khabarovsk” & “To Zagreb” by Yoko Tawada
These two stories are both in the same collection entitled “Suspect on the Night Train”, which got the Tanizaki Prize. The protagonist...
14
Ikuya Takahashi
Apr 12, 20243 min read
『グウドル氏の手套』井上靖
井上靖の文章は詩的で哲学的である。 新聞記者としての経験もそのスタイルを独特なものとさせている。絶妙な導入から物語に引き入られ、過去に思いを馳せる。 物語の中心人物は曽祖父潔の妾であった、かの。主人公はおかの婆さんと呼び、小さい頃、孫同然のようにして育てられた。時は明治であ...
10
Ikuya Takahashi
Mar 26, 20242 min read
“The Siren’s Lament” by Junichiro Tanizaki
I used 3 stories of Tanizaki for my discussion classes in the Pushkin Press anthology: “The Qilin”; “Killing O-Tsuya”; and “The Siren’s...
13
Ikuya Takahashi
Mar 16, 20242 min read
“Baumgartner” by Paul Auster
I’ve read the latest work of Auster. I’ve been an avid reader of his since I was back in university. The musicality of his prose is so...
4
Ikuya Takahashi
Mar 15, 20243 min read
『小屋のある屋上』川上弘美
「あれはただ、いろいろなことを見てしまった顔だ。いつか源さんに感じたのと同じことを、その時も思った。いろいろなことなど、見たくない。つくづく、思った。でも、見なければ、生きてゆけない。そのことを残念ながら、わたしはいつしか知るようになっていた。ここまで生きてきた、そのあいだ...
5
Ikuya Takahashi
Mar 8, 20243 min read
『ふたり暮らし』角田光代
2010年の短編集『マザコン』に収録されている短編。角田光代は直木賞作家で、多くの作品は映画化、テレビドラマ化されている。2021年には約5年を費やし、源氏物語の現代語訳を完成させた。主人公は、女性、38歳、独身。母親は主人公をクーちゃんと呼び、主人公は母親をノブちゃんと呼...
10
Ikuya Takahashi
Dec 2, 20233 min read
川端康成 『ほくろの手紙』(『愛する人達』に収録)
“The Mole” by Yasunari Kawabata This short story is written in the form of a letter. Sayoko, the protagonist, writes a letter to her...
24
Ikuya Takahashi
Oct 27, 20233 min read
須賀敦子 『本に読まれて』
約10年ぶりのイタリア。ローマとナポリを訪れた。イタリアに持っていく本を決めている時に目に入ってきた背表紙『本に読まれて』。須賀敦子の書評だ。須賀敦子はパリに留学するも、肌に合わず、イタリアに長く生活した。イタリアで彼女の文章を読める贅沢を噛み締めた。それにしても須賀敦子の...
30