Ikuya TakahashiJan 25, 20223 min read内田百閒『第一阿房列車』授業で内田百閒の『件』を扱ってからその作品の独特さに惹かれた。漱石一門である。同門の芥川龍之介も『内田百閒氏』と題した随筆を書いており、その才能を称えている。黒澤明の遺作「まあだだよ」の大学教師のモデルとなった人物でもある。東京大学ドイツ語学科を卒業した後、法政大学で教鞭を...
Ikuya TakahashiJan 16, 20222 min readJapanese literature classes in 2021Hello! It’s been a while since I last posted. I’ve been rather busy lately (sorry, it’s an excuse) and tend to procrastinate things,...
Ikuya TakahashiNov 6, 20214 min read『飼育』大江健三郎大江健三郎の文章には中毒性がある。大学1年の時、『万延元年のフットボール』の出だしを何度読み返しただろうか。大江氏の文章は熱を帯びており、読むとその熱が伝染する。溢れんばかりに喚起されたイメージに身体を揺さぶられる。文章は難解且つ翻訳調で、彼のような独特な文体をそれまで見た...
Ikuya TakahashiNov 3, 20213 min read『マーガレットは植える』松田青子「マーガレットは悲しみを植えた。マーガレットは不安を植えた。マーガレットは後悔を植えた。マーガレットは恐怖を植えた。マーガレットは恐怖を植えた。マーガレットは恐怖を植えた。マーガレットは恐怖を植えた。マーガレットは恐怖を植えた。」...
Ikuya TakahashiOct 10, 20212 min read『「終戦日記」を読む』 野坂昭如偶然、台北の紀伊國屋で目に止まった本。一つ一つの言葉が刺さった。この本はもっと読まれるべきだ。著者は『火垂るの墓』で有名な野坂昭如。野坂は1930年生まれ、敗戦を迎えたのは15歳の時。有名、無名の人たちの日記の抜粋を軸に太平洋戦争、第二次世界大戦に向き合う。著名人...
Ikuya TakahashiOct 3, 20212 min read『物語を忘れた外国語』 黒田龍之介黒田氏の随筆のファンで、いつも興味深く読んでいる。今回のエッセイ集も黒田節満載だ。文章が小気味良く、チェコ語、ロシア語、フランス語、言語学、イラン映画や台湾映画、大好きなビールと、守備範囲が広い。いくつか考えさせられた文章を抜粋したい。...
Ikuya TakahashiSep 29, 20212 min read『アメリカひじき』野坂昭如作家、放送作家、作詞家、シャンソン歌手、俳優、政治家、多くの顔を持つ。野坂は、1930年に生まれ、終戦を迎えた時は15歳であった。自身を「焼跡闇市派」と呼ぶ。小説、随筆共に多作の作家であるが、最も有名な作品と言えば『火垂るの墓』であろう。今回はもう一つの代表作『アメリカひじ...
Ikuya TakahashiSep 26, 20212 min read『地球星人』 村田沙耶香この作品は以前から複数の友人から読むように強く勧められていた。村田沙耶香の作品は、一度読み出したら止まらない。タイトルからはナイーブにも牧歌的な世界を想像していたのだが、いい意味で全く別ものであった。 この物語は秋級(あきしな)と呼ばれる長野のある一画で展開する。主人公の名...
Ikuya TakahashiSep 21, 20210 min read『ピンク』星野智幸「一度回り始めたら、二度と止まってはいけない。止まったら、回る前よりも苦しくなる。楽でいたかったら、回り続けるほかない」 がむしゃらに、何も考えずに、ひたすらに回転する、という「行き止まり」、「捨て鉢」のイメージに強い共感を覚えた。...